第24章 届かない声/明智光秀*光秀side*
素直に凛を城まで送り届ければ良かったはずなのに、俺は自分の御殿へと凛を誘ってしまっていた。まだ一緒にいたいと思ったからだ。
だから俺は凛に言う
雨に濡れて冷えただろうから温まっていくようにと。
「光秀さんって優しいんですね」
「優しい?この俺が?」
「はい」
「おまえという女は甘ちゃんだな」
「?言っている意味がわかりませんけど」
「この乱世で人を簡単に信用しない事だ」
そう、俺を優しい男と勘違いをするな。
俺は隙があればおまえを抱こうと考えている男だぞ。
雨に濡れた凛があまりにも色香を放っているように見えるから。
雨に濡れた凛が儚げに見え、消え入りそうだから
この腕に抱きしめたくなる。