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イケメン戦国 ◇甘い囁き 2◇R18

第19章 目覚めた時は傍にいろ/上杉謙信


凛を求めてフラフラと歩く謙信であったが、結局見付からずに自分の部屋へと戻ってきてしまった。


「謙信様……何処に行ってたんですか?」

「お前こそ俺に断りもなく起き出して」

「ごめんなさい。つい、この子の事が気になって」


凛の腕の中にはお腹の大きな白いネコ。喉を鳴らしながら気持ち良さそうに眠っていた。


「そろそろ御産が近いみたいで鳴いていたから気になってしまって」

「まったく……」


育児放棄をされた赤ちゃんネコを凛が見つけて、親代わりになって育てたネコ。
凛がわが子のように可愛いがっているのも謙信は知っていた。


「お前ときたら……俺とネコ……どちらが大切なんだ?」

「それはもちろん……この子ですよ」


愛おしげにネコの頭を撫でているが、口元は嬉しそうに微笑んでいる。

凛にはわかっていたのだ。

「ネコのが大事」


そう答えると謙信が面白くないような顔をして拗ねる事を

そんな拗ねる謙信が可愛くて、心にもない事を言ってしまう。

上目遣いに謙信をのぞき込むと案の定、謙信は拗ねたように眉を寄せていた。

「ふふっ……(拗ねる謙信様、可愛い)」

「何を笑っている?」

「笑っていませんよ」

「いや、笑った」

「笑ってないのに……好きですよ、謙信様」


子供のように拗ねる謙信に凛はそっと唇を重ねた。
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