第19章 目覚めた時は傍にいろ/上杉謙信
「本当に俺の事を好きなのか?」
「もちろん……謙信様だけを見つめていますよ」
「この口は……」
謙信の長い指が凛の唇を縁取っていくだけで、凛の身体は火照りを覚えていく。
「よく嘘をつく口だな」
「くすっ……言葉が信用出来ないのであれば……身体にて証明しますよ」
謙信の首に絡まっていく細い腕。
「しっかりと証明してもらうとするか」
妖しく微笑む謙信は、凛の腰を抱きながらゆっくりと布団へと押し倒していく。
「優しく……して下さいね」
「それは出来ぬ」
「え?……んあっ……あ……ンッ……」
首筋に顔を埋め、甘噛みを繰り返す。
そのたびに凛の身体は小さく跳ね上がり、腰が甘く疼きはじめてしまう。
「どんな理由であれ、俺より先に起きてはいけないと言ってあったのを反古したのだからな。
仕置きを免れる事は叶わんだろう?」
「まぁ……酷い人……ンッ…ふ……」
これ以上、凛は喋る事が出来なくなってしまう。謙信からの愛の仕置きは喘ぐ事しか許されないのだから。
朝陽が登ろうとも2人は何度も何度も肌を重ねて、愛を確かめあうのであった。
*Fin*