第17章 虫歯/伊達政宗
「っ……!!」
痛みで敏感になっている奥歯に更に押し付けられるような圧迫感
これ以上、触られたくなくて政宗の腕を握りしめてしまう。
「少し耐えろ」
「ふっ……っ……!」
いい大人が痛みに泣くのはおかしいと思って涙だけは流さないように耐えるけど、全身から汗が吹き出してるみたいに熱い
「よし、これで大丈夫だろ」
「……ありがと」
触られた直後だから鈍い痛みが残っているけど、その痛みもすこしづつ和らいでいくような気がする
「それにしても……」
「ん?」
「痛みに耐えている凛は」
「私?」
「せつないくらいに良い顔をしていたな」
「え?!」
「痛みに耐える女が美しいと思ったのは初めてだぜ」
「政宗、意地悪な顔してる」
「そうかもな、お前を苛めたい気分だ」
政宗の瞳が妖しい光りを帯びて、誘うように私の唇をなぞりはじめてくる。
抗う事の出来ない熱が私の唇を犯していくみたい
「……やめてよね……ンッ……」
「たまには……苛めるのも悪くないだろ」
「ぁ……」
唇が触れ合いそうな距離で囁く政宗に逆らえるわけもない。
だって私の身体は政宗に甘やかされるのも、苛められるのも、どちらであっても受け入れてしまうもの。
政宗に触れられた奥歯が甘く痺れ、その甘い痺れが私のすべてを包んでいくみたい。
いまからどうやって政宗に愛されていくのか……
想像するだけで身体の火照りが止まらない
おまけに続く→