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卑屈な恋の終わりかた[おそ松さんR18]

第3章 おわりの、はじまり。


そもそも、なんで僕たちがこんな関係になったのか。
少しだけ話そうと思う。







僕はこの会社は中途採用者で、トド松や十四松ほど社交性がなく入社当時は少し浮いていた。
兄弟達とはつるむし、他の人とは仕事上必要な会話はするけど、それだけ。
別に不自由もないし、クビにさえならなければなんでもよかった。
...そう思っていたのに。


聞きもしないことを丁寧に教えてきたり、やたら話しかけてきたり、昼飯に誘ってくる鬱陶しい先輩がいた。
食べることが好きなその先輩は美味しいお店をたくさん知っていて、鬱陶しくはあるが居心地が悪い訳ではなかったから渋々着いていくことが増えた。
仕事終わりに飲みにも行ったし、そこで仕事以外の話もたくさんした。口下手な僕にしてはよく話せてたと思う。先輩はリアクションがよく、聞き上手だった。


そのおかげかは分からないが、周りとも次第に上手くやれるようになっていった。つい僕が周りにキツく当たってしまった時には、その場で先輩が口を挟んできたりして。今にして思えば、僕が悪者にならないよう、緩衝材になってくれていた。



.....そんな先輩を好きにならないなんて無理な話。
その先輩っていうのが夕香。
ただ、始めは好きという気持ちを自覚すらしていなかった。



でも、いつ頃からか先輩が徐々によそよそしくなって、おそ松兄さんと話すのをよく見かけるようになって。
あと、ランチも飲み会もほとんどなくなって。その時に、いままで感じたことのないイラつきと焦燥感を感じた。






なんでいままでみたいに僕を見ないの。
僕に話しかけて、笑いかけないの。
楽しく笑い合う相手は、おそ松兄さんがいいの?
.....僕じゃだめなの?






そのとき、初めて僕は先輩への気持ちを自覚した。自覚した瞬間に失恋てのもなかなかないと思うけど。
でも諦めたつもりだった。兄さんに、敵うわけないから。
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