第1章 かなわない
絶頂し、ぐったりした夕香をしばらく見つめていたら
そのまま寝てしまったのか寝息が聞こえ始めた。
...シャワーにでも行こう。
ベッドから離れて浴室に向かった。
夕香とはセフレのような関係。
一ヶ月に何度か、こうやって身体を繋げる。
まぁ、元は会社の先輩だったんだけど。
半年くらい前かな、こんな関係になったのは。
きっかけは...もう覚えてない。
ただむしゃくしゃしてて、溜まってて、それだけ。
それだけで酔った勢いで夕香を半ば無理矢理抱いた。
最低でしょ?
でもしょうがないよね、クズだから。
...まぁ、そんなこと言ったら
夕香は夕香で最低だけどね。
だって、無理矢理犯した相手とセフレ続けてんだもん。
正気じゃないよね。
いくら僕の兄弟が好きだからって、
いくら僕らが六つ子で顔が同じだからって。
普通だったらこんなこと続けられないと思うけど。
こじらせてんのか、病んでんのか、
僕には分かんないけど
まぁ、普通に考えたら最低だよね。