第10章 練習試合
※花宮視点
原「ねぇ、遅くない?」
試合が終わり、ロッカー室で着替えていた時に原が言う、
俺は桐皇の奴らの着替え場と全体の指揮を取っていた為遅くなり、今ロッカーに着いたところだ。
「何がだ。」
原「いやさ、俺ら着替え始めてから結構たってるんだけどー、一向に帰ってこないの。いつもなら、早く着替えろー!とかいってじゃれ合うのに。」
「お前ら普段何してんだ。」
原「だからちょっと心配だなーって。」
ガムを膨らませながら割と真剣な顔でボヤいている原に目をやる。
すると突然ロッカーのドアが開いた。
「すっすみません!!」
原「あ、謝りきのこ。」
桜井「あっあの!今吉さん見ませんでしたか!?」
今吉…?
まさか……
花宮「今吉がどうした。」
桜井「さっきトイレに行くって言ったっきり帰ってこなくて…。迷惑かけてすみません。」
ホントだ、クソが。
原「あっ!花宮!?」
俺は聞き耳も持たず走り出した。
あいつが本当に着替えに行くとしたらロッカー室。
今吉が怪しまれずにトイレに行くと言った方向にある。
体育館からさほど遠くはないが、古い更衣室だからか、新しい所よりもすこし離れた場所にある。
だとしたら、今吉は最初からアレがだと分かっていたことになる。
花宮「くそっ…!」
完全に気が抜けていた。
試合中何も無かったからか気にも止めていなかった。
本当に性格悪ぃな、今吉。俺らが1番油断するところを狙ってくるとはな。
どうか無事でいてくれ。。