第10章 練習試合
2クォーター目。
同じようなプレーを繰り返しているが、原達が飽きたのか少し手を抜き始めている。ラフプレーを1クォーター目からしなかったため普通のプレーに飽きてしまったのだろう。
仕方がない。
「タイムアウト!」
大きな声で叫んでタイムをもらう。
花宮「おい……本気でやんのか」
花宮が少し嫌そうな顔をして聞いてくる。
「もちろん!」
満面な笑みで答えると花宮が深いため息をついた。
原「やったねん。」
「あ、でも確実に青アザとか作るのはだめ。足引っ掛ける程度ね」
そういい他の選手と交換しコートに入る。
タイムアウトが終わり、試合が続く。
配置につき周りを見ると原は楽しそうにニヤニヤしている。
花宮はすました顔をしているが楽しそうにしているのがじわじわと伝わってくる。
「よろしく、えーと、なんだっけ…?」
わざとらしく聞くと心底嫌そうな顔をされる。
仕方ないだろう、この姿で初対面なのだから挨拶はしないとね。
若松「若松だよ。お前初めて見るやつだな」
「まぁまぁ……。よろしくね」
そういい華麗にディフェンスを交わしドリブルをして切り抜ける。
若松「なっ……!」
「ばぁ〜か、点なんていつでも決められるんだよ」
思いっきりジャンプをしダンクを決める。
割と膝の負担がでかいからあんまりやらないんだけどね。
すました顔で戻ってくると原達が笑いを堪えている。
「なんだよ」
原「いっ、言ってることがっ、まるで花宮ww」
花宮「うるせぇ、一緒にすんな。まぁよくやった」
ニヤリと黒い笑みを浮かべて背中をパシンと叩かれる。
「お、おうっ」
すかさずディフェンスの体制に入るその時。
ふと目が合った。
「っ……?」
青峰がこちらを異様な目で見ていたからだ。
夏目「バレたか……(ボソ」
きっと私のバスケを知っている人には分かってしまうのだろう。
まぁ、そんなことも想定内だ。
そして私はニヤリと笑いを浮かべバレないように合図する。
青峰「っ…!!」
青峰は一瞬驚いた顔をすると、ニヤリと口元を歪ませた。