第10章 練習試合
凄い
「さすが悪童!!」
思わず笑いながら感心してしまった。
花宮「あーいう奴は見た目と情報をいい事に自分の隣において目立ちたいだけのタイプだろ。そーいう女うぜぇ。」
心底嫌そうな顔をする花宮。
そう言えば中学から、いろんな女の子に告白されていたよーな……。
その度に振ってたよーな…。
「モテるよね、花宮って」
花宮「あ?モテーねーよ。そもそもモテるとかモテないとか意味わかんねぇ。」
「んー、意識してないのに人から行為を持たれることじゃない?」
花宮「じゃあ、お前もモテんじゃねーの」
「えっ、なんでよ。」
自分が男の姿をして話しているのを忘れるくらい驚いた。
まさか、花宮からモテるなんて言われるとは。
花宮「悪くねー顔してるし、男もわんさか中学の時から周りに湧いてたじゃねーか。」
悪くない顔って、何すんなり庇ってるの。
そもそも自分の顔がブスとか可愛いとか、意識したこと無かったな。
しかも、男が湧くって……笑
「湧いてるのは知らなかった。自分の顔はよくわからないけど、悪くないの?」
花宮「あぁ、可愛いんじゃねーの?他から見たら美人とか言う奴もいると思うけど」
え、悪童がいま、可愛いって言った??
私、可愛いって言われたの?花宮真に?
「か、可愛い……?」
花宮「って言ってんだろ。何度も言わせんな」
しれっとした顔で言う花宮。
えぇ、なんで可愛いとか恥ずかしげもなく言えるんだこの男は。
天然タラシなのかコイツは。
きっと天然タラシだな。
「か、可愛いのか……いやぁ、言われたことないから恥ずかしいわ……」
花宮「まぁその姿でいてもピンとはこねーよな、言ってる方も」
「あっ……。」
花宮が笑う。
今は、男だもんね。
それにしても可愛いかぁ……ちょっと嬉しいかも。いやだいぶ。
1人で悶々と考えているとブザーが鳴った。
花宮「よし、2クォーター目だ。行くぞ」
何事も無かったかのようにみんなの元へ戻る花宮。
その背中を見て追いかけるように着いて行った。