第9章 不自然
朝。
花宮「っ…ん…」
朝日が顔に掛かり目をしぼめる
いつの間に寝てたんだ…俺
隣にはは居ない
台所の方からまな板を叩く音が聞こえる
花宮「…朝飯作ってんのか…」
思っていたよりも深く眠っていたらしく、
いつもよりも重く感じる体をベッドから起こす
花宮「…」
ふと思い、口に出す
花宮「…新婚みてぇだな…」
思いがけずつぶやいてしまった
昨日はっきりと自分で認めた対して抱いた感情
今吉とかの前だと認めているふうにはしてたが…
認めたくなかった
そもそもそんな柄じゃねぇ
もともと色恋沙汰なんて興味なかった
他人の恋愛話や、恋愛することほどつまらねぇものはないと思っていた
花宮「…それをあっさり…」
認めた
普通興味の無い女に
あそこまで一生懸命になれねぇよな…
深くため息をつき、リビングへと向かう
花宮「…」
リビングに向かうと、台所に立つが目に入る
クソッ…
マジで可愛すぎるだろ…
不覚にも自分でも抑えられない感情を殺して普通を装う。
「あ、起きたんだ。おはよう」
花宮「あ、あぁ…はよ」
ぎこちなく挨拶を交わす
朝食を食べ終え、着替え、家を出る
「…」
花宮「…なぁ」
「んー?」
花宮「お前、ちゃんと復讐の手立て考えてんのか?」
「…」
花宮「…おい」
「考えてるけど…」
もじもじと誤魔化す
花宮「…ちゃんと考えてねぇだろ!」
夏目「だって…会うこと自体、体が拒否るんだもん!見ただけでもう…鳥肌が!」
花宮「…器用な体だな」
ま、無理もねぇか
花宮「…そういえばお前さ…」
「あ、原だ!原〜!」
原を見つけては駆け寄っていく
花宮「人の話を最後まで聞け!」