第15章 Dreamin' Birthday
翔さんが電気を消して薄暗くなった部屋に
4人の歌うハッピーバースデーが聞こえる。
「ほら、和、消して」
とビデオカメラを構えた潤くんが言う。
嬉しいのを隠したくてちょっと
自棄気味にふーって思いっきり
吹き消した。
拍手と共に部屋に灯がともる。
「ありがとう…
そっかぁ今日誕生日だ…」
確かにメールはもらってた。
でもすっかり忘れてたんだ。
だって相葉さんのサプライズだとおもって
それしか考えてなかったから。
やっぱりこうやってみんなに
祝ってもらえるの嬉しい。
そのまま、用意された食事を
みんなで食べて…バルコニーから
ディズニーの花火を眺めて…。
なんとなくまったりし始めた頃、
思い出した封筒の存在。
「そうだ、智、これ。
マネから預かってたの忘れてた」
封筒を渡す。
「ありがとう」
っていって封筒の中身を出した大野さん。
中身にはなぜかリボンが着いていた。
「ふふ、これはおいらから、
和へのプレゼントだよ?」
って手渡された。
「あけていい?」
「もちろん」
黄色いリボンを解くとそこには
額装が施された絵が一枚入ってた。
「これ…俺?」
「うん。
前からねプレゼントしようと思ってて…。
ようやく納得できるの、描けたから」
「あなた、個展前で忙しいんじゃないの?」
「うん、もうあらかた終わってるし…
個展も大事だけど…
こっちも同じぐらい大事なの」
「ありがとう…」
堪えないと涙がこぼれそうだった。