第14章 Intoxicated
腕の中に抱いたまま、車にロックを掛けて
膝裏に腕を入れて姫抱きした。
駐車場から部屋のあるフロアーまで
智くんを腕に抱きながら上がる。
俺の首に腕を廻し、ギュッと
しがみつく智くんはいつもよりも
更にかわいい。
部屋にたどり着き、靴を脱ぎ捨て
そのままソファーにおろす。
にこにこと、どこまでも
上機嫌な智くん。
こんなの…明らかにおかしい。
ソファーにおろす寸前に
智くんから頬にキスをしてきた。
アルコールのせいで
積極的になってる感じ。
「ちょっと待ってて。
お水、取ってくるから」
ほとんどなんにも入ってない
冷蔵庫だけど水ぐらいは入ってる。
ペットボトルのキャップをあけて、
もう一度締めてから智くんに手渡す。
「はい、お水」
「ありがとう、しょーくん
…のませて」
仕方ないからペットボトルをあけて
口元にあてる。
「んーん、ちーがーう」
そういって唇を突き出す。
「ね?」
『ね?』じゃないだろう?
「はーやーくー」
焦れたようにいう智くん。
「ねぇ智くん?
今日のあなたおかしいよ?
なにがあったの?」
「ふふ〜ん、なんにもないよ」
いやいやなんにもなくないでしょ?
「ねぇえ」
口移しで飲ませろとせがむ智くん。
まぁいいけどね。
こんな積極的な智くんは
超レアだからね。