第14章 Intoxicated
ペットボトルの水を口に含み
そのまま智くんの唇に
自分のそれを押し付ける。
舌で唇を割り、
アルコールの味のする口に水を注ぐ。
ごくりと飲み込む音が響く。
「ん、しょうちゃん、もっと」
俺の袖を引っ張ってねだる。
「しかたないなぁ」
そんなこと思ってないのに
つい口に出る。
もう一度、口に水を含み、
智くんに口移しする。
再び聞こえる音。
唇を離そうとした俺の頭に手を廻し、
抱えるようにしたまま智くんから
深い口づけをしてくる。
息が止まりそうなほど深く激しいキス。
翻弄するような舌の動きに
流されそうになる。
しばらくして離れた唇。
俺の唇も智くんの唇も濡れて光る。
濡れた唇をペロリと舐める智くん。
その仕草は至極、妖艶で淫靡だ。
俺の首に腕を廻し、濡れた目で言う。
「しょーくん…、ねぇ…あっちいこ?」
ベッドルームを指して袖を引っ張る。
「酔ってるの?」
「うん、しょうくんに…ね?」
にやりと嗤うその顔…。
「誘ってるの?」
「うん、っていったらどうする?」
「どこでそんな誘い方おぼえたの?
そうやって惑わす悪い子には
お仕置きしないとね?」
「おれ、わるいこ?」
色を纏った顔で聞いてくる。
「どっちだろう?
智くんはどう思う?」
にやりとしながら聞いてみる。