第46章 バイカラーサファイアの夜 ーリクエストシリーズー
『兄貴、落ち着いてください!
変な誤解しないでくださいね。
親分から急に誘いもらって、なんか少し様子がおかしかったので会うことにしたんです。
そしたら飲み方もいつもと違うし…。
親分の言うことをきいて家で保護してるだけですから…』
「保護って…」
『保護ですよ!
あのまま言うこと聞かなかったらフラフラ飛び出して消えちゃいそうだったから…。
兄貴こそ、何したんですか?』
「なにって…」
え?俺が何したって言うの?
まじでわかんない。
「なにもしてないよ。
急に取材に出ただけだし…。
そんなのここんとこ何回もあったし…。
まぁいい。
お前んちまでそうだなぁ…あと1時間で着くから!
とにかく智くん、そこに置いといて!」
『…わかりました。
マンションに着いたら連絡ください。
鍵、開けますので』
よろしくと言って電話を切った。
席に戻ったもののイライラしてかばんの中のタバコに手を出しかけたものの吸える場所のない新幹線。
余計にイライラしながらとにかく東京駅に着くのを待ち、ドアが開いた瞬間にダッシュして、タクシーを捕まえて風磨のマンションに向かった。