第44章 Laurel
「翔くんたち、そろそろスタジオに来てよ?」
打ち合わせが終わって楽屋に戻ってきた智くんが柔らかな笑顔とともに声をかけてくる。
そんな智くんに俺は抱きついた。
「え?翔くん??どうしたの??ね、ここ、人くるし…」
突然の俺の行動に明らかに戸惑ってる智くん。
でも…でも…。
思ったことを言葉にするのが当たり前の俺がうまく合う言葉を探せない。
だから…だきついてしまったんだ。
その様子を見てたニノが小さくため息をついたあとで智くんとその後ろから来た松潤に説明をする。
「あのさ、今日ってアカデミー賞のノミネート作品の発表日でしょ?
ちょうどそのニュースが上がってきたんだけどさ…、おじさんの忍者も、潤くんのナラタージュンも私のお料理映画もノミネートされてなかったの。
で、この人、それがショックでとんでもない悲鳴をあげてたってわけ」
「え?ニノ?なんでそんなに詳しく知ってるの?」
空気を読まないというか天然というか…雅紀が心底不思議そうな顔でニノに聞いてる。
「そりゃ、まぁ…。時期も時期だしね?
これでも一応経験者なんで…。
翔ちゃんの悲鳴を聞いてもしかしてって思ってゲームを中断して確認してたんです」
ニノがどや顔で答えてる。