第44章 Laurel
「ええええええええ!嘘だろぉぉぉ!
なんでだよぉぉぉ!」
大阪のコンサートが終わって、そのまま東京にとんぼ返り。
で、今日は朝から都内のスタジオで新曲の振り入れ。
PVの時のはあくまで部分的なものだったから…。
ほんと、よく働くよね…俺たち。
で、ついに翔ちゃん、忙しすぎて壊れちゃったのかなぁ?
「翔ちゃん?どうしたの?とんでもない大声で…。
相葉さん並みに音量がバカになってますよ?」
あ、ニノまたさり気なくディスる…。
俺、拗ねるよ?
「いや、だってさぁ…」
翔ちゃんが口を尖らせてこっちを見た。
「だってさぁ…智くんの映画、一つもかすってないんだぞ!
ありえないだろ!
あれ、すごく良かったのに。
智くんのいいところが本当によく表現されてたのに!」
「?ん?今日なんかあったっけ?」
「なんかあったっけって…雅紀ひどい。
ニノのときはあんなに盛り上がってたくせに!」
「和の時?」
俺の頭にはますますはてなが増える…。
「あぁ、そういうことね?」
それまでスマホに落としていた視線をあげて、納得って顔をしてる。
ってか…俺、ほんとにわかんないんだけど…。