第41章 後夜祭
「…んっ、んふっ、ん…ぁ…は…ぁぁ…」
智くんの口から甘い吐息が漏れる。
その溢れる吐息まで飲み込んでしまいたいと思う…。
俺を抱きしめてた腕がゆっくり降りていくから今度は俺が抱きしめた。
抱きしめた智くんが潤んだ目で何かを訴える。
名残惜しいけど唇を離すと…うるうるした目で俺を見つめながら早く帰ろうって言うの。
マジで可愛くて抱き潰したい気分だけど…いつノックされるかわからない控え室。
なんとか理性でおしとどめる。
「ちょっと待って、すぐ着替えるから」
智くんに背を向けて着ていた衣装を一気に脱ぎ去る。
ズボンを履き替えて、Tシャツを着ようとしたところで背中に触れる体温。
「智くん…汗臭いから…」
「ふふ、臭くないよ。
翔くんが頑張った匂いだもん…」
ゆっくり体温が離れたと思ったら背中に柔らかい感触とチュッという音。
「痕…つけたいなぁ。
この背中は僕のものだって」
そういう智くんと鏡越しに視線が絡まる。
ヤバイ…理性がおかしくなりそう…。
「痕なんて付けなくたって智くんのものだよ」
止めてた手を動かして帰り支度を進めた。