第41章 後夜祭
「いや、あなたはリーダーだよ。
ねぇ、あれ。
鐘の音、聴こえてたでしょ?
で、顔上げたくせに…とぼけたの、
スタッフさんのためでしょ?
あと金藤さんに花もたせたんでしょ?」
「え?そんなこと…。
もう一度とか嫌だったし…」
小声でブツブツ言う智くん。
この人は本当に周りをよく見てるし、空気を読む人だから…。
あの状態で鐘が聞こえたって言ったら時間も押す。
下手したら再度なんてことになり兼ねない。
そうでなくてもそれ以前の企画でだいぶタイムスケジュールか狂い始めてから…。
わかってたんだよね?その辺の事情。
「ありがとう…本当に助かったんだ」
「ほんと、別に何もやってないけど…。
翔くんの役に立ったならいいや」
そう言って笑う。
やっぱりどれだけ時が経ったって俺はこの人に敵わない。
「智くん」
名前を呼べば、くっと上がる顎。
そのまま唇を塞ぐ。
触れた唇を舌で舐め、ゆっくりとノックするように突けば薄っすらと開く唇。
そのまま舌を捩じ込んで甘い舌を絡め取る。
いいよね?頑張ったご褒美、もらってもさ?