第41章 後夜祭
別に亀梨や小山が悪いわけじゃない。
二人とも生放送の経験はかなりあるし、臨機応変にも動ける。
自分たちの持ち味の活かし方も分かってる。
明確すぎる上下関係もあるし、そういう意味ではやりやすい相手だったと思う。
でも…二人といればいるほど…自分が嵐なんだっていうのを実感した。
雑誌の撮影ひとつ取っても、コメント撮りひとつ取ってもタイミングがちがう…歩幅が違う…。
その違いがあればあるほど…俺がどれだけ普段、居心地のいい場所にいるのかを実感した。
智くんたちとなら安心できる。
背中を預けられる。
例え前が見えてなくても進める。
「ふふふ、ほんと、お疲れ様。
肩、ガチガチだよ?
緊張した?」
俺を抱きしめたまま、ふわふわとした空気を纏った智くんが聞いてくる。
「うん…緊張した。
しっぱなしだった…。
やっぱり…俺が一番上だから…。
引っ張らなきゃって、守らなきゃって。
やっぱ、リーダーって器じゃないわ、俺。
智くん…すごいんだね」
「なに言ってるんだか…。
僕、みんなを引っ張ったことないよ。
いつもみんなに引っ張ってもらってるの。
翔くんが一番知ってるくせに」
ぷくっと頬を膨らます仕草が可愛い。