第40章 サプライズバレンタイン
「翔くんのは日本酒と焼酎のボンボン。
ちょっと変わったのが面白いかなぁって
思って。
まーくんのはウイスキーボンボン。
スコッチウイスキーのやつなの。
和はお酒弱いからワインとシャンパンの
ボンボンにしたの。
潤くんのは王道のブランデーボンボンに
してみたの。
なんか、高いブランデーが入ってるって。
潤くんに似合う気がしてね?」
ニコニコしながら饒舌に説明する。
「食べてもいい?」
一応、さとこちゃんに聞くと嬉しそうな顔で頷く。
「うん、翔くん食べてみて?」
ペリペリと包み紙を剥いて口に含む。
「どう?美味しい?」
目をキラキラさせて聞いてくるさとこちゃん。
口の中のチョコレートを噛むと中から辛口の日本酒が出てきてチョコレートと交わる。
「うん、美味しいよ。
さとこちゃん、あーん?」
反射的に口を開けたさとこちゃんの口に包み紙から出したチョコレートボンボンを放り込む。
「ホントだぁ、美味しいね?翔くん!」
嬉しそうにそう言うさとこちゃんに下の三人が俄に勢い付く。
「さとちゃん、俺のも一緒に味見しよ?」
雅紀が緑のアルミ箔を剥いてさとこちゃんの唇に当てる。
「ん、ありがと。
まーくんも…」
さとこちゃんが雅紀の箱から一つ摘んで、雅紀の口に入れる。
「んっ、美味しい!
さとちゃん、ありがと」
そのまま腕の中に入れて抱きしめた。