第40章 サプライズバレンタイン
「…んんっ……あっ、翔くん、潤…。
おかえりなさーぃ…」
俺たちの声で気がついたのかローテーブルに突っ伏していた体がゆっくりと起き上がる。
寝起きのせいかとろんとした瞳でフワフワとした声で俺たちを呼んだその女の子は…智くんだった。
「………ただ…いま…。
ねぇ、その格好…何?」
潤のドスの効いた声に智くんというかさとこちゃん?がビクリと肩を震わせる。
「あっ、えっ、あの……CMでやったのが
すごい評判良かったし…
あの…その…ちょっと早いけど…
バレンタインデー…
……したら………オモシロイかなって…。
で、同じ渡すなら…
……女の子からのほうが…
…その……いいかな…なんて…
…おも…って……」
珍しく饒舌に話し始めたかと思ったら徐々に小さくなる語尾。
潤の声の迫力に圧倒されたのか終いには涙声になり始めた。
潤んだ瞳で俺たちを見上げてくる。
やべっ、マジで可愛い!
あのスマホで見せてもらった姿より生のほうが何倍もいい!
それは潤も同じだったみたいで…。
「ごめっ、泣くなよぉ。
ちょっと驚きすぎて…」
智くんのいやさとこちゃんの隣に跪いて潤が弁解する。
「だってさ、下に置いてあった靴見て…
めっちゃ驚いたんだよ?
智くんが女、連れ込んだのかと思って!」
俺の抗議に智くんは少し嬉しそうな顔をした。