第39章 松本潤氏の（ファビュラスな）視線

先に着替えを終えた俺たちは提供バック前の出演があるので指定された舞台裏に行く。

しばらくしてリーダーが一人で舞台裏に来た。


「ごめん、お待たせしました」


視線の先に枡さんがいたからだろうなぁ途中から言葉遣いが丁寧になってる…。
カメラが回ってる時はキャラを作るけど素の智は至って丁寧だから。

毎年この提供バックには翔さんは出演しないけど、これが終わったらそんなにしないうちにこっちにくる。

その場で即興で打ち合わせた小ネタを披露してカメラが切り替わる。

曲振りをする翔さんはメドレーの時に纏ってた黒い空気を清々しいまでに一掃していた。

雅紀がニコニコしながらモニターに映る翔さんを見てたから…なんとなくさっきの行動の意味がわかったけど…。


でもさぁキレてるのは翔さんだけじゃないんだよねぇ…なんて思ったりする。


俺たちの出番になって、番組で恒例の質問でさんざん智に褒められた翔さんはもはやニヤニヤを隠すのも大変なぐらいで…。

そんな翔さんとは正反対に緊張した顔の雅紀。
智が心配そうに見てる。

紅白の司会が決まってから練習を兼ねて雅紀の喋るパート増やしてる俺たち。

でもさ、生で長ゼリフを喋るから緊張がとけないのがわかりすぎるぐらいわかるんだよ。