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Side by Side  【気象系BL小説】

第36章 とりっくおあ…





「どうしたの?いろいろ思い出した?」


丁度10周年の時にやったイベントの記憶が引き金になったんだと思う。

ずっと一緒に戦い続けてきたこの小さな体が、温もりがすごく愛おしいものに感じた。

気がつくとショーが終わっていた。

そっと、和の体を離して席に戻ると、和も少し遅れて席に戻った。


「翔ちゃん…これからもよろしくね?

 まだ、たどり着いてないもんね?

 これからと一緒に戦おう…。

 走っていこう?

 俺たちなら…ね?」


和の言葉が嬉しかった。

同じ気持ちなんだっていうことを改めて確認できたのが本当に嬉しかった。

自分からやったことなのに急に照れくさくなって下を向く。

そこにタイミングよく、デザートを持ったスタッフさんが入ってきて…二人で笑いながら食べた。


食べ終わって、シーに戻る前に和がトイレに立つ。


「間違えて男の方に入るなよ?」


俺も前を通り過ぎる前にそっと耳打ちしたら「あっ…」って小さな声…。


「大丈夫だもん!」


そう言って頬を膨らませたまま和が部屋を出ていった。

それと入れ違うようになった俺の携帯。

以前お使いを頼んだスタッフにチェックインとレンタカーをホテルの駐車場へ持ってきてもらうことを頼んでいる。

すでにチェックインが終わったらしく連絡が来たのだ。



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