第36章 とりっくおあ…
そんな楽屋でのやり取りからおよそ一週間。
早朝から貸スペースを使って変装した俺たち。
ニノの仮装は潤がツテから絶対的に信用できる、且つ腕のいいおネエのヘアメイクアーティストを呼んでくれた。
事前に同じく信用出来るスタイリストさんに発注した洋服を持参してその場で着替えた。
俺はいわゆるパンクファッションってやつなのかな?
黒のアシンメトリーな燕尾風のジャケットに黒のワイドパンツ、シャツも裾の長いゴシック調のシャツといった格好。
とにかく黒くてスタッズが一杯。
これで髪の毛をヘアスプレーで緑にして、更に丸いレンズの入ったサングラスをする。
足元は厚底のロックテイストなブーツを履くことになった。
和のはロリータファッションと言うやつらしい。
後ろに裾のたれた黒のレースが何重にも重なったスカートはウエスト部分から上が胸元までコルセットみたいになっている。
その上にボレロを羽織ってる。
ボレロの袖は先のほうが広がってるもので、足元は疲れないようにとの配慮からか、ヒールのない編み上げのブーツだった。
頭におかっぱのかつらを被り、ゴスロリ調のメイクをした和は一瞬、言葉をのみこむほど綺麗だった。
せっかくだしと、二人の写真を撮ってもらい今日のセッティングをしてくれたみんなとのグループLINEに投下した。
そのまま手配したレンタカーで目的地であるディズニーリゾートに向かった。