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Side by Side  【気象系BL小説】

第34章 満月



金曜の深夜。


翌日のことを考えたら寝るべきだろうけど一瞬でいいから無事に到着した姿を見たくて、小さなテレビの音量を絞って待った。

飛行機が遅れてるのは知ってる。

最悪、音声だけかもって番組の冒頭で村尾さんが言ってた。

でも…声だけでも聞きたくて…。

ずっと待ってた。

最後に間に合った翔ちゃんが映った瞬間、叫び声をあげそうになって慌てて口を塞ぐ。

セットしてない髪はべっちゃんこで選手への礼儀といって着てるYシャツ姿でもなくて…そこにいたのは僕がよく知ってる大好きな翔ちゃんだった。


短い中継。


「うちのテレビで見たかったなぁ…」


思わずため息が出る。


そのタイミングで鳴った通知音。


無視しても良かったけど…なんとなく予感がしたんだ…。


緑のアイコンにドロップされたのは翔ちゃんの動画。


アリーナでいってたやつ。

本当にやったんだね!


『地球の裏側のみなさーん、きこえますかー?』


うん、うん、聞こえてる!聞こえたよ!翔ちゃんの声。
ちゃんと裏側に届いたよ。


早速、皆が返信を返してる。


僕も一言だけ返した。


残りは…メールにした。
忍者の写真も一緒に…。


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