第29章 大野智氏の(意味有りげな)微笑
「翔ちゃん?こっち向いて?」
ベッドで体を隠すようにしてる翔ちゃんをこっちに向かせる。
「どうして欲しい?教えて?翔ちゃん」
「…」
「言えない?
じゃぁこのまま眺めてようか?
どこも触らないで…
ずーっと見てるのもいいかもね?
翔ちゃん…肌白いね?
唇はぷっくりしてて紅くって…
そのお口に僕の咥えてる時…
すっごくエロい顔するの。
でも…今日は見れないかな?
翔ちゃんの気持ちいいお顔。
だってさ、僕…
言ってもらわないと
わからないし…ね?」
ベッドから降りてその辺に置いてある椅子に座って翔ちゃんを見る。
「あっ…智くん…」
泣きそうな顔で僕のことを見るくらいなら最初から素直になればいいのに…。
「なぁに?翔ちゃん?」
わざとのんびりと聞いてみれば、もう助けてって顔で僕を見るの。
あー、ほんと可愛いよ、翔ちゃん。
「キス…して?」
「いいよ?」
翔ちゃんの紅い唇に静かに唇を押し付ける。
「さとしくん…もっと…」
「じゃぁ自分からして?」
翔ちゃんが僕の頬を手で包んで濃厚なキスをかましてくる。
「んふっ…んんっ…んっ…ふっん」
どっちのかわからない吐息に混じって舌と舌が絡み合って立てる水音が響く。
「キスだけでいい?」
「…やだ…」
「じゃぁどうする?」
「…舐めて…くだ…さい」
「どこを?」
「………む…ね…」
「よくできました」
翔ちゃんの胸に手を伸ばした。