第29章 大野智氏の(意味有りげな)微笑
「翔くん?どうする?」
もう一度翔くんに聞くとちっちゃな声で「ベッド」って。
目がちょっとうるうるしててかわいい。
普段めっちゃ男前だし、それこそ僕を抱くときの翔くんは正に雄なのに…。
自分が抱かれると思うと途端に可愛くなるんだよなぁ。
潤くんもどっちかっていうとそう言うタイプ。
和は逆に雄の顔になったときの色気が壮絶なんだよなぁ。
「じゃ、行くよ?」
翔ちゃんの肩を抱いて寝室へと促す。
渋々って感じだけど…それさえも可愛い。
ベッドの傍まで言ったところで翔ちゃんをベッドに突き飛ばす。
「うわっ、智くん…」
「そんな怯えた目で見ないでよ?
煽ってるの?」
「違う…そんなんじゃ…」
「違うんだ?まぁいいや。
翔ちゃん…とりあえず全部脱いで?」
「え?…脱ぐの?」
「そう、脱ぐの。イヤは聞かないよ?
だって今日は僕の言うこと
聞いてくれるんでしょ?」
「じゃぁ…せめて明かりは…」
「全部脱いで?
そしたら落としてあげるから…」
翔ちゃん、しぶしぶって感じで僕に背を向けて服を脱ぎ出した。
もじもじしながらも一生懸命脱ごうとしている姿がかわいい。
こういうのギャップ萌えって言うのかも?
「…智くん?……脱いだから…
電気…お願い…」
「いいよ、
でも…真っ暗にはしないからね?」
調光機のダイヤルを廻して徐々に明かりを小さくしていく。
ほのかな光が残る位にして…僕もベッドに乗った。