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Side by Side  【気象系BL小説】

第29章 大野智氏の(意味有りげな)微笑



お互い、無言のまま部屋にいる。

自分のマンションなのに居心地が悪くて取りあえずコーヒーを淹れにキッチンに逃げ込んだ。

翔くんは?って思ってチラッと見ると、所在なさげにソファに座って新聞を広げてた。

マグカップを2つ持ってキッチンを出て、1つを翔くんの前に置いた。

ガチャンって大きな音を立てたマグカップ。

仕方ないよ、僕だって…機嫌悪いこともあるんだから…。


そのまま、僕はソファーを離れてダイニングの椅子に座った。


思わず出るため息。


「言いたいことがあるなら言えば?
 物に当たらないでさ…」


翔くんの低い声が聞こえた。


「はぁ?別に当たってないし?
 ってか、言いたいことあるのは
 翔くんなんじゃないの?

 なんなんだよ、あの収録の時の態度」


「はぁ?
 それ言ったら智くんだってさ、
 なに?あれ。

 可愛く笑っちゃってさぁ。
 
 ニコニコしながら
 ハイタッチしてさぁ。

 そうでなくても
 貴方を狙ってるやつら多いから
 厄介なのに…。

 風磨、俺にさえ見せないような
 笑顔だったし…。

 なんなんだよ?」


またお互いに同じことの繰り返し…。

わかってるよ…翔くんの気持ち…。
でもさ、僕の気持ちもわかってほしいよなぁ…。

全然伝わらないのが悔しくて…。


「もぅいい!
 翔くんなんて知らない!

 ふーちゃんとデートしてやる!
 ついでに知念とも食事に行ってやる!

 ものすごーいおしゃれな店に
 行ってやるんだから!」


そのままマンションを飛びだした。




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