第25章 Cake
「智くん?起きて?
こんなところで寝たら
風邪引いちゃうよ?」
「んん?しょーちゃん?」
「そうだよ、ごめん、
待っててくれたの?」
「ん、しょーちゃんおかえり」
「ただいま、智くん」
翔くんが僕を抱き起こす。
「ふふ、ありがと。
翔くん、今何時?」
「1時5分だね」
手元の時計をみながら教えてくれる。
「早くない?今夜は」
「うん、誕生日だからって反省会、
早めに切り上げてくれたの。
変なところで律儀なんだよ、みんな」
そう言ってる顔はすごく嬉しそう。
「翔ちゃん、愛されてるね?」
「でしょ?ケーキまでくれたよ。
『明日にでも食べてください』だって。
さすがにこの時間に食べたら
まずいもんね」
ちょっと寂しそう?
でもちゃんと我慢する当たりは偉い!
「じゃぁさ、こっちのケーキはどう?」
僕はさっき探し出したケーキ型の入浴剤を翔ちゃんの前に差し出す。
「俺一人で入るの?これ入れて?」