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Side by Side  【気象系BL小説】

第22章 流水の紋様 ~揺蕩う(たゆたう)~


なんて話してたらスタッフさん、
他の人から呼ばれたみたいで、
そっちに返事しながら、
『失礼します』って言って走っていった。


「行っちゃったね?」

僕が走り去るスタッフさんを
見ながら言うと、翔くんが僕を見て言う。

「じゃ、行きますか?」

小さく頷くとスタッフさんに挨拶して、
ふたりで旅館に向かった。

美しく調えられた日本庭園を通って
母屋の部分に着くと年配の女将さんが
出迎えてくれた。

「すみません、お世話になります」

二人揃って挨拶すると女将さんは
暖かい笑みを浮かべて俺たちを
離れの部屋に案内してくれた。

「こちらがお部屋になります。
 どうぞゆっくりしていってください。

 今日は仲居もおりません。
 行き届かないところもあると思いますが、
 静かな時間はお約束出来ますので
 寛いでください。

 お夕食は何時ぐらいが宜しいですか?」

時計をちらりと見る翔くん。
まだ夕食を食べるには
十分すぎる時間がある。

「少し遅いかもしれませんが
 7時ぐらいでお願いできますか?」

「はい、畏まりました。
 お夕飯は広間にご用意しますので
 いらしてください。

 お風呂は入れるようにしてますから
 いつでもご自由にどうぞ。

 それでは失礼します」

女将さんが部屋を出ていくのを見送った。
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