• テキストサイズ

Side by Side  【気象系BL小説】

第18章 上海夜曲 〜ネコとくま〜


全部赤にした。

僕の気持ちが届くように…。


「これ、紫、ないんだね?

 潤くん、拗ねないといいんだけど…」


「でも、赤に青を重ねれば

 紫になりますよ?」


チーフが言う。


「そうだね、確かにそうだ」


日本にいる皆の顔を思い浮かべながら

僕は笑った。

途中食事を挟んで、

ペンキが乾いたのを確認して

さらにつけたした。

大好きなみんなを思い浮かべながら

赤い文字の上に

黄色・青・緑・紫・赤のペンキを飛ばした。

出来上がりをみてなんか

やり遂げた気分になった。

僕が関わるところは全て終わった。

あとは上海のスタッフに任せられる。

達成感見たいものを感じながら

ホテルに戻った。

ベッドサイドの時計を見る。

23:00

いつもならテレビを見ている時間。

でもここでテレビをつけても君の姿はない。

時間と距離の差がもどかしく感じる瞬間。

いつもみたいに、画面を通して

おくってくれるメッセージに

応えることが出来ない夜。

寂しくないといれば嘘になる。
/ 422ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp