第18章 上海夜曲 〜ネコとくま〜
封筒をあけると翔くんの文字。
決して綺麗な文字ではないけど…
らしい文字だと思う。
【智くん、無事、上海についた?
これを読んでるってことは
もうホテルでゆっくりしてるころかな?
どうせスマホの電源、切ったままでしょ?
同封の紙に書いてあるように
操作してみて。
では… Sho】
翔くんの手紙の後ろには
彼らしいすごくわかりやすい
説明書がついていた。
画面の絵が出てて
それに合わせて操作してみた。
あっという間に設定がされたのか
すぐにメールの着信音がして驚いた。
本当に使えるんだ…。
着信したメールは翔くんからだった。
【智くん、お疲れさま。
このメールがみれたってことはスマホ、
使えるようになったんだね?
寂しくなったらいつでも
電話してきてね?
時差はたった1時間。
日本の方が早いだけだから…
気にしないで掛けてきてね?
オレはこいつを抱いて
我慢することにするよ Sho】
翔くんのメールには
あのネコのぬいぐるみを抱いた
翔くんの自撮り写真。
思わず吹き出した。
翔くん、ありがとう。
僕、大丈夫だから…。
翔くんに【ありがとう、愛してる】
ってだけのメールを送ると
そのまま眠りに包まれた。