第17章 Afterward 〜ネコとくま〜
二人でブランチを食べる。
たわいない話をしながらも
お互い時計が気になる。
「智くん、そろそろ出ないと…
マンションまで送るから」
今日はチーフマネじゃないから
迎えはマンションになる。
そろそろ出ないと間に合わない。
「スーツケース、
いつものやつでいいんだよね?」
翔くんが確認するようにいう。
「うん、いつもの…あれ」
「パッキング終わってたみたいだから
車に積んじゃったけど…」
「ありがとう、相変わらず段取りいいよね」
「どういたしまして」
そう言って笑う翔くん。
たった2日なのにね…。
すごく寂しいよ。
翔くんが運転する姿を助手席から眺める。
そのうち寝てたみたいで翔くんに起こされた。
「智くん、着いたよ」
マンションの地下駐車場の端に車を停めた翔くん。
「おはよう…ほら、起きて」
優しい声音の翔くん。
「携帯、なってない?」
言われてポケットをまさぐり、震えるスマホをタップした。