第17章 Afterward 〜ネコとくま〜
上海で過ごす一人の夜。
絶対寂しいと思う。
けど…しないもん。
だってそれ…むなしすぎる。
躰が気持ちよくなっても
心がその分寂しくなる。
そんなの…いやだ。
だから…しないもん。
そう言ってる間も翔くんは
僕の手を動かす。
自分の手を使って翔くんから与えられる
快楽に流されそうになる。
「しょうく…や…おねがぃ…
ね…ゆるして…」
頬を涙が伝う。
翔くんの唇が頬を伝えう涙を吸った。
「ごめん…意地悪が過ぎたね…」
僕の手を握ってた翔くんの手が離れる。
「しょうくん…」
僕は躰の向きを変えて自分の両腕を
翔くんの背中にまわした。
「しょうくんにしてほしいの…
しょうくんがしてくれるなら…
なにをされてもいいから…」
寂しかった。
長い間描けなくなってて…
それが描けるようになって
誰よりも喜んでくれたのは
翔くんだった。
いつも僕のそばで
見守ってくれたのは翔くんで…。
2回目の個展と
海外での展示が決まったとき、
誰よりも喜んでくれたのは
翔くんだった。
だから…
その翔くんに応えたい気持ちもあって
決まってからも制作に
時間のほとんどを費やした。
翔くんも忙しくて…
番組の収録でも家でも会うけど…
会うだけで…。
圧倒的に時間が足りなくて…。
寂しかったのに言えなくて。
翔くんが僕に気を遣ってくれてるもの
判ってるから自分から言えなくて…。