【弾丸キス】Bullet kiss~誘惑な捜査線♡~
第3章 氷室、鷹乃 潜入捜査(仮)
アリスは鮫川一課長と氷室管理官に呼び出されていた。
『お待たせしました。どういったご用でしょうか?』
「あ~…なんだ、その…」
珍しく歯切れの悪い鮫川一課長に、かなり不機嫌そうな氷室管理官…異様な光景であった。
『えっと…私、何かしましたか?』
何故このような状態になっているのか理解出来ずにアリスは首を傾げた。
こほんっ、と鮫川一課長が咳払いをし、意を決して話し出した。
「いや、そういう事ではないんだが・・・・水城、山科オリエンタルは知っているか?」
『はい。ここ数年で急成長した大企業ですよね?』
「知っているなら話が早い。水城。お前、山科オリエンタルで働け」
『えっ?』
アリスは鮫川一課長が言っている意味が理解出来ずにいたが、
『それは、私に刑事を辞めてOLになれと言っているんですか!?』
「そんな訳ないだろ!…あ~…いや、潜入捜査だ。しかも、短期ではなく長期でだ」
「それを私が…ですか?」
鮫川一課長は度々氷室管理官をチラ見しながら話を続けた。
「山科オリエンタルで先日社員の岸川法子40歳が水死体で発見された。どうやら、それに会社内部の連中が絡んでるようなんだが中々しっぽが掴めなくてな。それで、水城お前の出番って訳だ!しかも、山科オリエンタルではセクハラが横行している様でな、お前なら大丈夫だろうと…」
『はぁ・・・』
(それは、私ならセクハラされるような心配はないと?)
「私は反対だ!」
今まで不機嫌そうに黙っていた氷室管理官が口を挟んだ。
「いや、管理官それは…」
「水城捜査官、君が潜入捜査をする必要はない」
『あの、少し考えさせてください』
アリスは二人を見てそう答えたのだか、
「考える必要はありません」
『京国理事官…』
アリスの後ろからにゅっと京国理事官が現れた。