【弾丸キス】Bullet kiss~誘惑な捜査線♡~
第3章 氷室、鷹乃 潜入捜査(仮)
「京国さん、これコピーお願い」
『了解しました』
「後、ついでにコーヒーも」
『…了解しました』
アリスはとある大企業のオフィスにいた。
コピー室の隣は給湯室になっていて、よく女性社員が噂話をしているからいい情報源になったりもする。
「さっきお茶持っていったら、山野課長にお尻を触られたんだけど…」
「うわぁ、幸子あの課長に狙われてるっぽいもんね」
「ってか、この会社セクハラ当たり前だもんね…お尻を触るのは挨拶代わりって言われたよ」
そんな話が聞こえてくる。
(セクハラが横行してるのか、見過ごせないけど余り公にやると潜入捜査がバレちゃうし…)
コピーした資料を持っていく。
『コピー終わりました』
「サンキュー!これ一部課長に持ってってくれる?会議の資料だからさ」
『私が…ですか?』
(自分で持っていけばいいのに…)
「俺、あの人苦手なんだよね…頼むよ!」
『了解しました』
(私も苦手なんだよねぇ…)
仕方なく、アリスは課長のデスクへ歩いていく。
『課長…会議の資料をお持ちした』
「ああ京国くん、ありがとう」
眼鏡を外し、ニコリと微笑む。
そう…課長である彼は、氷室管理官なのであった。
何故彼がここにいるか、アリスが京国と呼ばれているのか…それは約1ヶ月前に遡る。