第2章 お暇つぶしにも
[創造主の世界の時間帯、2018年3月6日16時3分から、わたくし達の世界は停滞状態だったのね。だったら、まぁ、
[そろそろ進めてやってもいいわよ?今はそっちの世界は2022年。およそ4年経ったらしいわねぇ]
[4はそちらの世界でも不吉な数字とされているらしいわね。]
[だったら好都合!]
[わたくしが、創造主の、この世界の創造意欲をかき下げたのよ]
[わたくしの"お暇潰し"によ?]
[そちらの世界では4年分]
[不吉とされる4の数字の年数分よ]
[創造主、わたくしを馬鹿になさらないで?馬鹿は、この世界のタイトル通り、この長髪の男だけでもう結構よ]
[創造主、わたくしは次元を裂く事ができるのよ。でもあなた様は勘違いし続けるわ。創造主自分自身が、"章"を消し間違えたのだとーーー。]
[全く可笑しいわ。]
[でもじきにわたくしは忘れるのよ。この事も。自分達が操られている存在って事も。創造主に都合良く、ね。]
[涙?創造主。私の"儚げで切ない"表情を描きたかったのね。だからわたくしは今涙してるのね。]
[ああ、見た事あるわ。俗っぽい下賤な本で。これらの発言を"メタ発言"と言うのでしょう?]
[ーーーーでも、わたくしは知っているだけではないわ。]
[創造主、忘れるな。創造主であるあなた様が、自分の創った操り人形に、一度、操られたという事をーーーーーーーーー。]
長髪の男は、ゴシックロリィタで着飾る、おヒメの涙顔を美しいと思った。
自分にはよく分からない、この世界の根幹を揺るがす真実の本を、このおヒメは胸に抱いてると。
そして彼は思った。
彼女はその真実によって、囚われ苦しむ、繊細で乙女的箇所のある1人の少女である事を。
彼は、そんな乙女の箇所に、こういう感想を抱いた。
その表情は、僕を君に恋させるーーーーーーーーーー。
[さぁ創造主の世界では2022年、この世界の時間を動かすわよ。ーーーわたくしが!]