第2章 お暇つぶしにも
[一寸何よこれ?]
バタンッ!と、やや乱暴に、わたくしは真緑の分厚い本を閉じた。しかし、真緑の本は、次の瞬間にはルビーの様に真紅く変色する。ーーーー一瞬の、宝石の輝き。
[なぁにってなんだい??]
長髪の男は、間延びた声色でわたくしに近づく。その対応に腸が煮えくり返ってしまったので、私はガッ..ッ!と男の顎の下に拳を入れ、"暴力"(とやら)を奮って締まった。わたくしったら、つい。
[いっったいじゃないかぁぁ〜!!??]
長髪の男の涙は観てられない。(そうだわ、前にお本でこれを半泣きと呼ぶ。と観た事あったわ。)
わたくしはガァガァと、烏の様に興奮する長髪を無視し唇を開く。
[【※作者が誤って章を削除してしまいましたので、その部分を残します。申し訳ありません。】ですって?何を仰っているのかしら、
ーーーーーーーーーーこの世界を造った"創造主"は。」
と、長髪の男が私の背後にまた近づいてきて、
[何を見ているんだいキミは?ん?..なんだいその本は!?今までの僕たちの台詞や出来事が書かれてあってーーーー??????]
なんっっだコレはーーー!?と狂喜乱舞?する長髪を横目で、朝の、食べ忘れて残ったポタージュのように冷ややかな瞳でわたくしは見詰めた。
[そうよ。貴方、知らなかったの?とんだ間抜けね。]
[この世界はね、みんな創造主に造られているのよ。]
[わたくしの人格もわたくしを取り巻く環境も貴方がわたくしの目の前に現れることも、]
[全て]
[創造主が決めた事よ。]
[わたくし達はお人形なの]
[創造主の娯楽のために喜怒哀楽をつけられ、創造主がさせたいようにさせられている空っぽの道化だわ。創造主の趣味をなすりつけられて生きているのよ。]
[でも、これは創造主にとっても予想外の展開だったんじゃないかしらーーー?見くびらないで、わたくしを。]
[わたくしは知っていてよ。]
[わたくし達がこの後どんな展開を迎えるか、わたくし達がどんな関係になってゆくのか。この世界のまつろの全て。]
[創造主のお考えになる事は、全て解るわ。未来の展開のこともね。]
[ああ本当ーー今から嫌になるわ。]
全く可笑しいわ。創造主ったら。
わたくしが外の世界で喜ぶ、という場面。
気に喰わなかったから、わたくしが、
全て消してやったわ。