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紅眼の戦姫

第1章 第1幕 第3王女ティアナ姫


《ティアナside》

「…側近なんていらないのにー」

「まあまあ、そう言うなってティアナ」

窓の縁に頬杖をついてふてくされているのは16歳の私。国王である父親からキース兄さん経由で側近をつけろと命令された。キース兄さんはそれを受けて町に側近募集の求人情報を流した。

「最近、脱走癖が酷いらしいじゃないかーソフィアも困ってたぞ?」

「勉強したくないんだもんー」

「勉強しないと姉さん達みたいになれないぞー?」

「いいもん」

キース兄さんの話もまともに聞き入れない。それほどまでに側近がつくのが嫌だったのだ。側近なんてついたら脱走がますます出来なくなってしまう。ソフィアやメイド達を撒くのは簡単だが側近ともなるとそう簡単には脱走させてはくれないだろう。

「お?門の前に結構人集まってるなー」

「…ちょっと見てくる」

「え?ティアナ?」

窓からヒョイッと飛び降りる。

「ティアナ!ここ3階だぞ!!」

キース兄さんの心配をよそに木を伝って地上に降りる。いいことを思い付いた。側近になるには試験をする、知識に体力…まあ色々とやるのだろう。その審査を私がやればいいじゃないか!それなら全部私が不合格にして側近なんてつけなければいいこと。我ながらナイスアイデア!試験をするならやっぱり、騎士達がいる駐屯地だろう。


「ではまず、技術テストを行う!一人一人こちらの騎士と戦ってもらう!武器は剣のみとする!」

駐屯地に顔を覗かせると騎士団長のサグエルがこの試験の指揮官だった。どうやらまずは技術テストからするらしい。説明を終えたサグエルに話し掛ける。

「サグエルーこれから試験?」

「これはティアナ様!はい、これから技術テストでございます!」

「その試験、私が対戦相手じゃダメかなー?私の側近になるなら私より強い人じゃないとダメだし」

「た、確かにそうですが…ティアナ様に適う輩が果たしているのか…」

「いなかったらそれまででしょーいいよね?やっても?」

「ティアナ様の仰ることですし…」

「決まりね!」

半ば強制的に私が志願者全員を相手にすることになった。
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