第6章 two
「まあな…やってるこた、一緒だもんな…」
「だから鍵部屋には行かないほうがいいと思うんだ」
智は俺を心配そうな顔で見てる。
「ん…」
「そうは言ってもさ、智…」
潤が話に割ってはいってくる。
「音楽で食っていくのって、俺達の夢じゃん。カズがそれを叶えられるチャンスなんじゃねえの?
鍵部屋って言ったらもっと名前だって売れるチャンスだし」
「あのさ」
雅紀が立ちあがった。
「そんなの俺達でどうこういうことじゃないんじゃないの?
決めるの和だからさ」
「あ…」
智も潤も決まりが悪そうな顔をした。
「いや、そんな全然…心配してくれんのわかるし…ありがと」
「和が決めたこと、俺は応援するよ」
そう言って雅紀は俺の頭をくしゃっと撫でてくれた。
「おう…さんきゅ…」
やっぱり雅紀は…ずっと俺の友達で…仲間で…
俺の欲しい言葉をいつでもくれて…
唯一、甘えられる存在で。
ごめん…ありがとう。
「でも和すげえなあ。鍵部屋のオーナーにあんなに惚れ込んで貰えてさ」
「いやあ…照れるね」
頭を掻いてたら、調子に乗んなと皆からどつかれた。
ああ…いいなあ…
この空気、失いたくないな…
翔も隣で笑ってる。
このままじゃ…いけないのかな…