第6章 two
「二宮さん、うちで回しませんか?もちろん、お給料払います」
「えっ…お給料?」
「そうです」
その時、VIPの扉が開いて智と潤と雅紀が入ってきた。
「ニノおつかれーって、あれ」
「お客さん?」
「兄貴!!」
智が大声を上げた。
「えっ!?」
ガオを含め皆がびっくりした。
「智…久しぶりだな…」
榎本さんはメガネを引き上げ、智を見上げた。
「な、なにしてんだよ。こんなところで…」
「二宮くんをスカウトにきた」
「えっ…兄貴んとこで雇うの?」
「悪いか」
「ちょっとまて…」
潤が頭を押さえた。
「智に兄貴が居るって聞いたことないぞ?」
「あー、ごめん…兄貴と俺、小さいころ親が離婚して、別々で育てられたんだ…」
「あ…そうなんだ…」
智は榎本さんのメガネを取った。
「ね。俺たち双子なの」
「そっくり!」
雅紀が声を上げた。
「兄貴のとこで、俺、バイトしてた事あってさ。お互い顔合わせて初めて気づいたんだよ」
「履歴書見てもわからなかったけどな、会ったら気づいた。兄弟だって…」
「そりゃ双子なんだから気づくだろ…」
潤のつっこみに、双子は頬を染めた。