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Re・Birth【気象系BL小説】

第2章 sanctuary


「手を洗え…手を…」


台所で手を洗わせると、タオルで手を拭いてやった。


「かずくん」


「ん?」


「おなかへった」


「そっか。風呂はいったら、買い物行こうな」


「はあい」


気づいたら、浴槽いっぱいにお湯が溜まってた。


「やべ…ほら、翔。服脱いで?」


「いや…」


「いやじゃねえだろ…ほら」


嫌がる翔と格闘して、強引にTシャツを脱がせた。


ついでに一緒に入ろうと、自分もぽいぽい服を脱ぎ捨てていく。


「え…?」


上を脱がせたら、身体に何個も縛られたような跡。


「…手首だけじゃなかったのか…」


ズボンも脱がせて、体中調べた。


手首足首、もちろん胴体にもロープの跡はあった。


「翔…これ、どうしたの?」


首を横に振って、涙目で翔は答えた。


「おじさん…」


「おじさんがこんなことしたの?」


「うん…」


翔の痣をそっと触った。


びくりと身体が震えた。


「大丈夫だよ…俺は縛ったりしないからね…?」


「うん…」


翔が俺に向かって手を伸ばした。


泣きそうな顔で、俺の手を握る。


「かずくん…だっこ…」


裸だぞ…俺たち…


そうは思ったけど、あんまり翔の顔が切羽詰ってて…


だから…


「おいで」


腕を広げて、翔を抱きしめた。

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