第6章 two
「翔、今日はGravity行くか!」
あれから元気のなくなってしまった翔の気分転換の為に、クラブに誘ってみた。
迎えは雅紀に頼んである。
「ん…」
あんまり乗り気じゃないみたいだけど、とにかく家から連れだしてみた。
「よー!元気だったか?」
「久しぶり。色々あって行けなくてすまんな」
「いいって。お前の席、ちゃんと開けてあるからさ」
助手席には侑李が座っていた。
「こんばんは。二宮さん」
「お、侑李じゃん。元気?」
「はい!すいません、お邪魔しちゃって」
「いいって。なにお前ら付き合ってんの?」
「なにいってんすか。二宮さん」
「ど付き合ってるよ…もう…」
「雅紀先輩より、大野さんのほうがかっこいいっす」
「はあ?智?」
侑李はきらきらした目をして、俺に振り返る。
「だってめっちゃあの人の時間って、アーティスティックですよね!」
「まあな…あいつ、基本ジャズとか好きだからな…」
「渋いっす」
「ほらな…俺なんか眼中にねえんだよ。コイツ…」
「雅紀先輩ってホモなんすか?」
「ゲイだよ。バーカ」
侑李はくっくと笑うと、俺にむかっていたずらっぽく微笑んだ。
オイ…どういう意味だそりゃ…