第6章 two
日本ではまだ周知されていないけど、障害者へのセックスボランティアというのは実際に存在する。
翔のやっていたのは、本当に特殊なことだけど、それを職業にしている人は少なからずいるのだ。
スケベな意味ではなく、依頼があったらゴム手をして障害者の欲求を発散させる。
風俗につれていったりすることもあるらしい。
しかしまだまだ障害者の性というのは、日本ではタブー視されているので、セックスボランティアが一体どういう活動をしているのか、ほとんどの人が知らない。
そしてこういうケアの届いていない地域の実情というのは、筆舌に尽くしがたい。
全部が全部そうというわけではないが、処理しきれず家族に頼む場合があり、そのまま近親相姦に発展する場合もある。
中には障害者同士で、同性愛に発展することもあるそうだ。
スキャンダラスに聞こえるが、これが実情だ。
そのくらい、闇が深い。
翔はこの闇に、なにもわからないまま突き落とされたのだ。
石井先生から聞いた話だと、翔は手淫だけじゃなく、口や後ろまで使って施設に入っている障害者の世話をさせられていたらしい。
そしてそれが上手いと評判になっていたとこの前聞いた。
翔を縛ったおじさんという人は…
翔のそんな上手さを買ったんだろう。