第6章 two
シーツで手を拭って、慌てて翔の腕を掴む。
「ごめんっ…思い出させてごめんっ翔…」
「ぼくいやっていったのに…いやいやいやいや…」
首を横に振って泣きながら俺から離れていく翔を一生懸命抱きしめた。
「ごめんね。翔…ごめん…もう、思い出さなくていいから…」
「おじさん、ぼくのことしばりました…いやだ…いやだ…いやなのに…」
涙を流す翔はもう俺を見ていなかった。
「翔っ…もう、あんなことしなくていいんだ!翔はもう俺と恋人なんだから…」
震えながら翔がやっと俺を見た。
「好きなんだから…」
「かずくん…」
「翔は、俺のこと好きだよね?」
「うん…」
「俺も翔のこと、愛してるよ」
「うん…」
「だから翔と俺はセックスするの。もう、それ以外のセックスなんて、する必要がないんだよ?」
「おじさん…」
「もう、おじさんたちも来ないからね?」
「こない?」
「そうだよ。俺と一緒にいるからもう、大丈夫だよ…翔…」
ぎゅうっと抱きしめると、翔は泣きだした。
「かずくんっ…かずくんっ…」
「ん…ごめんな。折角忘れてたのに…」
「もういやだ…おじさんたちのおせわするの、もういやだ…」
お世話…そう言って、あんなこと翔はやらされてたんだ…