第6章 two
「ねえ…二宮さん。最近、おまわりさんやたらウロウロしてません?」
犬友その1、柴のマロンくんのママが言う。
「あ、あたしもそれ気になってました!」
犬友その2、チワワの真珠ちゃんのママが言う。
「え…それって、中年のおっさんのおまわりですか?」
「あ、その人の時もあるけど、もの凄くねえ…?」
マロンママが、真珠ママの顔を見る。
「メチャクチャ美形のおまわりさんもいるっす!」
マロンママはどこかのマダムっぽい感じだが、真珠ママはヤンママっぽい感じだ。
「その二人のおまわりさんが、やたら居るような気がするのよね…」
マロンママが頬に手を当てる。
「なんか事件あるっすっかね?」
真珠ママはヤンママ風味だが、毎朝散歩にきているので、きっと根はまじめなのだろう。
「や…事件ならそんなわかりやすい制服のおまわりよこさないでしょ…」
用心、しなきゃな。
きっと俺達の事探し当てたんだ。
おっさんはわかるけど、若い美形のおまわりってなんだ…?
三匹の犬と翔は道路に転がって遊んでる。
「翔…お前の洋服、誰が洗濯すると思ってんだ?」
翔がきょとんと俺を見上げた。