第6章 two
広い風呂ってなんでこんな気持ちいいんだろう。
ゆっくりと浸かって身体を洗って出ると、脱衣場のベンチに座って扇風機の風に当たる。
翔は置いてある扇風機に向かって声をだしてる。
「あ”ーーーーーーーー」
「くぉら!周りの人に迷惑だろ!ヤメろ!」
「いやああん!いじわる!」
「ばか!いじわるじゃないだろ!」
翔のパンツを掴んで、扇風機から引き剥がそうとしてたら、回りから爆笑された。
「よう、兄ちゃん。大変だなあ」
そう言って、結局フルーツ牛乳を2個奢ってもらった。
瓶はおいて行かなきゃいけなかったから、結局その場でのんだ。
「すいません…ごちそうさまです」
「あーりがとー!」
お礼を言って飲むと、翔はとっても嬉しそうにちびちび飲んだ。
「良かったなあ!」
そういっておっさんは翔の頭を撫でて出て行った。
「あ、ありがとうございまーす!」
「まーす!」
「翔、良かったな。ちゃんとおいしいして飲めよ?」
「うん。おいしい!」
周りの人はニコニコと翔を見守っている。
こうやって…地域の人に、見守られるようになったら。
あの警官も手出しできないんじゃないかな…
ふと、そう思った。