• テキストサイズ

Re・Birth【気象系BL小説】

第6章 two


うちに風呂はあるんだけど、ユニットバスはやはり狭い。


週に何回か、俺達は近所の銭湯へ風呂に入りに行くようになった。


桶の中に小さなシャンプーとリンス、石鹸を入れて。


タオルとバスタオルを持って出かける。


翔と手を繋いで歩いていても、誰も振り返らない。


知的障害者とその保護者。


どっからどうみてもそう見えるだろう。


俺にとっては好都合で。


堂々と好きなヤツと手を繋いで歩けるなんて、こんないいことないから。


繋いだ手をぶんぶんと振りながら、ゆっくりと道を歩く。


「かずくん。ふるーつぎゅうにゅうのみたい」


「さっきアイス食っただろ?今日は我慢しなさい」


「じゃあ、こーひーぎゅうにゅう」


「一緒だろ?」


「あじがちがう」


「味だけだろ?」


「むう…かずくんのばか」


「お前がお腹壊すから言ってんだろ?もう…」


「んー!んー!」


「はいはい…明日な」


剥れながら、それでも俺の手を離さない。


「あっそお?じゃあ手離すよ?」


「あーっ!いやーだー!」


「ほらぁ…じゃあ、言うこときくよな?」


「…はぁい…」


剥れる翔も可愛かった。

/ 440ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp