第5章 birdcage
雅紀は口に手を当てた。
「お前ら、こうなる運命なんじゃないかって…」
「運命?」
「ああ…なんか、わかんねーんだけどな…」
「雅紀…」
「いいって…気にすんなよ。ごめんな。変なこと言って…」
「いや…それがさ…」
「ん?」
VIPは空気の流れが淀んでる。
雅紀の吐き出すたばこの煙が俺の前で揺蕩っていた。
「俺も、同じこと思ってたから」
「え?」
「こうなるのがな、なんか自然だってな…参ったな…俺、そんな趣味はなかったんだけどな…」
「ふ…ばぁか…」
その時、VIPの扉が開いた。
「雅紀ー次だってよ」
「おーありがとな。今いく」
めちゃくちゃかわいい顔をした男が、雅紀を呼びに来た。
「お、誰?」
「ああ、お前が来てない間にここに来るようになったんだ。侑李!」
「んー?」
侑李ってやつは、出て行った扉からまた顔をだした。
「こいつ俺のダチで二宮っていうの。よろしくな」
「あー聞いてます。俺、侑李っていいます。よろしくおねがいします!」
「かわいいじゃねえか…」
隣に座ってる雅紀にぎゅっと腿を抓られた。
「あれは、俺が唾つけてんだ。色気だすんじゃねえ」
「はい…」