第25章 特別短編 緑色の木
「あー?あっ…」
ニノが起き上がって焦って何かを探してる。
「おいっ…翔!起きろって!おいっ…あれ、どこやったんだよ!?」
「んー?かずくぅん…おはようのちゅー…」
「ばか!寝ぼけてんじゃねえぞ!」
ニノの焦る声で、智もモソモソと起き出してきた。
「なに…?もう、うるさいんだけど…」
「さ、智っ…雅紀達起きてきたっ…」
「えっ…ちょ、潤!潤ったら!」
「にゃ~…」
潤はクッションを抱えたまましあわせな顔をして寝てる。
「あっ…あったぞ!ほら、翔、これ持て!」
「こっちもあった!よし、行くぞ!ニノ!」
「おう!智!」
三人は俺と侑李の前に来ると、破顔した。
「初夜、おめでとーーー!」
パアンっとクラッカーの弾ける音がした。
「うあっ!?なんだっ!?」
潤がソファから飛び起きて俺たちを見た。
「…おお…無事に初夜終わったか?」
「は、はあっ!?」
やられた…全部こいつらに仕組まれたことだった…
「えー?だってなあ?もういいだろうよ…今日は翼もいないしな?」
「そうだよお…別におまえら付き合ってんだから、もういいじゃんね?」
「かずくんお腹減った」
「おお…ちょっと待ってろ。ルームサービス…」